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御香・空薫物

供香にとどまらず、部屋に燻らせ、伏籠を使って衣に焚きこめるなどの楽しみの薫物が平安時代に興りました。今日「御香」と呼ぶことの多い「空薫」です。好みの香りを手作りしたため、灯りがなくても移り香で誰なのかが分かりました。現代の芳香剤や香水との違いは、風情だけではありません。薫物は加熱して初めて現れる保留性の高さ故、残り香が多く落着いた香調が特長です。

練香・印香 創造豊かな調合香   

調合した香料粉末を蜜と練る「練香」は八世紀、鑑真和上により伝えられました。六種の薫物が有名ですが調合の種類は無限です。源氏物語の梅枝の巻で知られる「薫物合」は、主題がどのように香りに映っているのかという美意識の交流です。練香や印香(香薬の粉末を固めたもの)のような調合香には創造性があふれ、個人の価値観の多様化した現代にこそふさわしいかもしれません。

香木   最適に加熱する技術

香木を焚いた残り香は、お客様への極上のおもてなしでしょう。しかし灰の上または銀葉 (薄い雲母)の上で最適温度で加熱する技術が必要な為、あまり使われません。
沈香はジンチョウゲ科の樹木内の樹脂が増え硬くなったもので、ごく稀に伽羅のような最良品があります。白檀は生木ですが、これらは植林が難しく乱獲の問題があります。こうした貴重な天然資源こそ、香道のように「馬尾蚊足」の小片を静かに鑑賞する聞香にとどめたいです。

線香   簡便さと安定した香気

御香の線香には、長短の棒状や、渦巻き型 (長時間用)コーン状※などがあります。伝統の香りではなく合成香料を多用した洋風の香調がほとんどになりました。香木の名を冠する紛らわしい商品もあり、平安時代から続く古来の香りを次世代へつなぐことが難しくなっています。
※コーン状の御香は香気の経時変化が多く安定しません。